AIと脱炭素で「アルミ」を奪い合い 米関税とインドが拍車 - 毎日新聞
AI需要と脱炭素化に伴う電化でアルミ需要が急増し、米国の関税やインドの需要増が供給不足に拍車をかけている。
専門家の視点
AI向けデータセンターと電気自動車がアルミ需要を同時に押し上げ、さらに米国の関税で輸入が滞り、インドの経済成長が需要をさらに積み増す構図です。実体として、アルミは電力を大量に消費する精錬工程を持つため、脱炭素と再エネ拡大のどちらが先行するかで供給制約の質が変わります。物語は「奪い合いという競合」を強調しますが、ここで欠落しているのは「アルミの代替材」や「リサイクルアルミの実効性」です。市場では廃アルミから再生する二次地金の比率が高まっていますが、質の維持や回収レートに限界があります。期待先行の構造としては、投資家がAI・EV両市場の成長を同時に織り込む一方で、関税がもたらすサプライチェーンの分断という可逆性の低い要因が、現実の価格形成を歪めています。隠れた前提は「アルミ需要は一直線に増える」という直線的な成長予測です。実際は半導体ショックや関税の乱高下で需要が急減した事例が過去にあるため、供給不足の持続性は疑わしいと言わざるを得ません。この構造の観測点は、二次地金の品質基準をめぐる国際規格の動きと、アルミ精錬所が再エネ電力をどの割合で調達できるかという地域差です。