制度・政策

データセンター誘致「脱炭素電力をどれだけ供給できるか」がカギ エネ庁部長が札幌で講演

2026-05-23
資源エネルギー庁部長がデータセンター誘致には脱炭素電力の供給が重要と講演し、GX関連の政策動向を示した。

専門家の視点

データセンター誘致の成否を脱炭素電力の供給量に一元化するエネ庁幹部の発言は、物語先走りの典型です。実体として、現時点の北海道における再エネ余剰電力は季節・時間変動が大きく、安定供給には蓄電池や系統増強という別の実体コストが不可欠です。ところが「脱炭素電力を多く出せば勝てる」という物語だけが先行し、誰がその供給インフラを負担し、いつまでに整備するのかという実行レイヤーが欠落しています。 隠れた前提は「脱炭素電力=誘致の唯一の条件」という点です。実際には、水素サプライチェーンやカーボンクレジットの活用、需要側の柔軟性(負荷調整契約)など、供給量以外の選択肢も存在します。この発言は、再エネポテンシャルが高い地域ほど物語に飛びつきやすく、しかも期待先行で土地造成や補助金合戦が先行する危険性をはらみます。日本のGX人材にとって次に見るべきは、発言通りに進むと誰がどの程度の電気代上昇を引き受け、誘致したデータセンターのグリーン電力証明が国際的に通用するかという検証プロセスです。このままだと、量だけを追って質を欠いた非競争的な誘致バブルが生まれます。

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