企業動向

日本含むアジア5カ国の主要電力10社の脱炭素取り組み。10社とも化石燃料拡大しつつ再エネ ...

2026-05-23
日本の主要電力会社を含むアジア5カ国10社が、化石燃料拡大と再エネ導入を同時に進めている実態をシンクタンクが報告した。

専門家の視点

アジア主要電力10社全てが化石燃料事業を拡大しながら再エネも推進するという二重構造は、実体と物語の間に明確なズレが存在する構造です。実体として、石炭火力の新規開発や既存設備の稼働継続という物理的な炭素排出量の増加が起きている一方、物語としてはカーボンニュートラル宣言や再エネ導入目標が掲げられています。ここでの中心的な構造は「期待欠落」、つまり社会や市場から厳しい脱炭素圧力がかかっているにもかかわらず、対象10社の行動が実体として転換していないため、評価されない状態です。制度面では、日本の電力会社が抱える非対称性が特に顕著です。再エネ導入の制度設計は進んでいるものの、既存の石炭火力の運転継続を支える卸電力市場や容量市場の仕組みが、構造的に化石燃料の延命を許しています。見えにくい前提は「電力会社の脱炭素は発電構成の単純な置き換えで達成できる」という考え方です。実際には、系統安定化のためのアンシラリーサービスや調整力の確保という実体が、石炭火力の残存を経済合理的に正当化しています。この問題の観測点は、各国の電力市場設計が化石燃料の退出をどれだけ制度的に促進できるか、という点にあります。

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