再エネ・技術

住友商事やENEOS参画のマレーシア水素事業休止 計画達成難しく - 日本経済新聞

2026-05-23
住友商事やENEOSが参画するマレーシアのグリーン水素事業が計画達成困難で休止状態になった

専門家の視点

再生可能エネルギー由来の水素をマレーシアで生産し日本へ輸出する計画が休止に至った背景には、実体と物語の間に大きなズレが存在します。実体としては、グリーン水素の生産コストが依然として高く、さらに水力発電の安定供給や大規模な輸送インフラの整備が技術的・経済的に未確立であるという物理制約があります。一方、物語では政府や企業が「水素社会」の実現を掲げ、壮大なビジョンを先行させてきましたが、投資判断や実際の事業計画の実行段階で現実の壁に直面しています。 この構造は「物語先走り」であり、ビジョンの実現可能性が十分に検証されないまま期待だけが先行した典型例です。特に、水素サプライチェーン全体の時間軸を考慮すると、生産から輸送、消費までの各段階でコスト競争力を持つにはあと10年以上かかるという前提を、記事は当然としていますが、この前提は誤りかもしれません。現実には、政策支援なしでは経済合理性が成立しないプロジェクトが多く、休止は市場の冷ややかな評価の反映でもあります。 次の観測点は、同様の水素プロジェクトが他地域でどの程度実証段階にあるかです。

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