第3回長期脱炭素電源オークションの結果が公表 落札は32件・730万kWに(4/4 ページ) - スマートジャパン - ITmedia
第3回長期脱炭素電源オークションで32件・730万kWの案件が落札された結果を公表。
専門家の視点
第3回長期脱炭素電源オークションで730万kWが落札されたという数字は、実体としては確かな一歩です。しかし、この結果が「長期脱炭素」の物語に本当に沿っているかは、落札内訳に左右されます。液化天然ガス(LNG)や揚水発電などを含む「脱炭素電源」の定義の広さが、実質的な二酸化炭素削減効果を曖昧にしています。物語は「脱炭素へ向けた着実な進展」を強調しますが、実体は既存技術の維持や電源構成の変更に過ぎず、新規の革新技術導入には至っていません。ここには、政策の物語が市場の期待を先取りし、実体の技術的ハードルが追いつかない構造が潜んでいます。市場はこのオークションを好意的に受け止め、投資を促進する可能性が高いですが、肝心の排出削減の時間軸は遅れます。観測点は、落札案件が実際に運転を開始し、想定通りに発電するかどうかです。このオークションは、実体としての電力需給安定を確保した点では意味がありますが、物語としての「脱炭素」を達成するためには、別途、より厳格な排出基準や不落札リスクへの制度的な手当てが必要です。今回の結果だけで「脱炭素が進んだ」と結論づけることはできません。