T&E 報告書:羽田・成田、アジア太平洋地域の航空CO2排出上位に ー 日本の航空部門、ネットゼロ工程表の策定が急務 - 紀伊民報AGARA
日本の主要空港がアジア太平洋地域の航空CO2排出上位に位置し、航空部門のネットゼロ工程表策定が急務であると報告された
専門家の視点
羽田・成田空港がアジア太平洋地域の航空CO2排出量上位に位置するという事実は、日本の航空需要の規模を示す一方で、排出削減の実体が伴っていない構造を露呈しています。国際民間航空機関(ICAO)のCORSIA制度やSAF(持続可能な航空燃料)導入目標は物語としては示されていますが、工程表の策定が急務とされるのは、実行レイヤーと時間軸が具体化されていないからです。日本の航空部門は技術実証段階から商業規模への移行が遅れており、SAFの国産化計画も量産開始が早くて2030年以降と、可逆性の高い時期にあります。ここで隠れた前提は「需要を抑制せずに技術で削減できる」という楽観的な期待です。実際には航空需要の成長線が排出量を押し上げ、技術導入だけではネットゼロの達成が困難である可能性が高いです。市場や投資家はSAF関連株への期待先行を見せていますが、供給量やコストの現実とのズレは将来の調整リスクを内包します。よって、構造としては物語先行型と実体欠落型が重なった状態です。次の観測点は、政府がいつ需要管理を含む具体的な工程表とKPIを提示するか、そしてSAFの商業生産開始時期が発表通りに進むかどうかです。