再エネ・技術

「水素発電」が初採択、長期脱炭素オークションで - ニュース - メガソーラービジネス plus : 日経BP

2026-05-22
長期脱炭素オークションで水素発電が初めて採択され、2029年度から水素35%混焼や水電解装置設置による再エネ活用が計画されています。

専門家の視点

長期脱炭素オークションで「水素発電」が初めて採択されたという事実は、実体面では日本の水素混焼技術が制度的な入り口を得たことを示します。2030年度の着工、2029年度からの水素35%混焼、内部での水電解装置導入というスケジュールは具体的ですが、これが「初採択」である以上、実証フェーズを超えた規模感の議論はまだ始まったばかりです。物語としては「脱炭素の切り札」という期待が先行しやすいところですが、35%混焼の段階ではCO2削減効果は限定的であり、100%水素専焼に至る技術的・コスト的な壁は依然として高い。ここで見落とされがちなのは、制度が整っても「誰が実行するのか」という実行レイヤーです。発電所内に水電解装置を設置するビジネスモデルは、発電事業者自身が水素製造リスクを負うことを意味し、現状の水素価格と長期収益性の不透明さが採択後の事業化判断を左右します。この構造の核心は、物語先走りです。制度が技術に「追い風」を与えたのは確かですが、実体としての水素調達コストや実証規模の課題が解決されないまま、期待だけが市場や政策に広がるリスクをはらんでいます。

2025年度の長期脱炭素電源オークションにおいて、初めて水素専焼火力発電所が採択された。英Hoku Infrastructure (ホクインフラストラクチャー)の日本法人Hoku Energy(ホクエナジー、東京都港区)とCEF H2(東京都千代田区)の2件で、落札容量は合計約253MW。 ホクエナジーは、青森県にクリーン水素を燃料とする100%水素専焼火力発電所「第一発電所」を開発し、2030年度前半から中頃の運転開始を目指す。落札容量は106.654MW。適用期間は運転開始から約40年間を想定する。 CEF H2は、2023年9月に買収した福岡県大牟田市の石炭火力発電所「三池火力発電所」について、水素混焼を経て水素専焼発電所へと段階的に改修する計画。落札容量は146.4MW。合わせて発電所内に水素精製工場を併設する。 2029年度から水素35%混焼とともに、発電所内に水電解装置を設置して再生可能エネルギー電力を用いた低炭素水素の製造を開始する。2033年度からは100%水素専焼を開始し、水電解装置も増設する。発電所外には水素ステーションを設置し、車両用に低炭素水素の供給も行う。 Copyright 2026 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved. このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP、またはその情報提供者に帰属します。 掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

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