自工会「クルマが先頭に」宣言!! 進まない水素普及のため「鶏と卵」問題に本気の目標設定
専門家の視点
水素を巡る「鶏と卵」問題(供給側と需要側のどちらも動かない停滞)に対して、自工会が業界目標を掲げた点は確かに物語の枠組みを変える試みです。しかし、肝心の実体はどうでしょうか。ホンダが「2040年までに全車BEV/FCV」を取り下げ、一転して新型HEVを2年間で15車種投入し、N-BOXのEV化を2028年と延期した事実が示す通り、主要プレイヤーの行動は水素から明確に後退しています。制度や技術の物理的制約として、水素ステーションの整備遅延やFCVの車両コスト高は依然として解消されておらず、実体はむしろ「卵を割るどころか、鶏が逃げている」状態です。 ここに構造的なズレが生じています。水素普及という「物語」が掲げられても、実行レイヤーである自動車メーカーの投資判断はBEVやHEVという既存の路線に集中し、水素への本格的な資源投入は行われていません。時間軸で見ると、この目標は短期的な実効性より、目先の「脱炭素に取り組んでいる」というメッセージ発信に重きを置いている印象です。 隠れた前提として、この記事は「自工会の宣言が業界を動かす力を持つ」ことを当然視しています。
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