欧州の液化水素海上輸送に協力川崎重工とエコログ、供給網の中流で提携 - 海事プレス
川崎重工とギリシャ船主エコログが、欧州向け液化水素の海上輸送サプライチェーン構築に向け戦略的提携を発表した。
専門家の視点
欧州の液化水素海上輸送に川崎重工とエコログが覚書を交わしたという発表です。この提携で中心となるのはサプライチェーンの中流、つまり液化水素の積み出しから海上輸送、受け入れまでの工程です。実体としては、川崎重工は世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を建造した実績を持ちますが、商用運航の実績やコスト競争力はまだ確立されていません。物語としては、欧州の水素需要が高まる中で、地政学的リスクの低い海上輸送ルートを確立したいという欧州側の期待と、川崎重工の技術を輸出したい日本の思惑が一致しているように見えます。しかし、ここには「誰が水素を買うのか」という実行レイヤーの欠落があります。欧州連合は域内水素生産を優先する戦略を取っており、海上輸送された水素の価格競争力や需要規模は不透明です。期待先行の構造です。技術はあっても、それを支える需要と制度が整わなければ、実証段階から商用段階へ移行できないという時間軸のギャップを抱えています。次の観測点は、この覚書に続く具体的なオフテイカー(購入者)の確保と、日本政府の水素基本戦略における補助金の動向です。
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