造船・GX・地域ブランドに重点 四国の産業クラスター素案 - 日本経済新聞 印刷画面
四国経済産業局の産業クラスター素案が、造船・GX・地域ブランドを柱に地域活性化を狙う内容を報じた記事。
専門家の視点
「造船」「GX」「四国ブランド」という三本柱は、それぞれ実体の異なるレイヤーを一つの計画にまとめた点に構造的な無理があります。造船は瀬戸内という地理的実体と既存サプライチェーンという明確な実体があります。しかしGXは「脱炭素電源をベースにAIや半導体」と曖昧で、再生可能エネルギー事業の具体的地域基盤や需要家の実態が素案からは見えません。四国ブランドは食・観光・防災とさらに抽象度が高く、産業クラスターとしての実行レイヤーが「誰が何をいつまでに」という水準まで落ちていません。 この素案の核心は、物語先走りの構造です。「ポテンシャルがある」という言葉で実体の薄い領域をカバーし、期待だけを先行させています。特にGXと四国ブランドは、過去の自治体計画にありがちな「何でも入れる」発想であり、企業の具体的な投資判断や人材移動を誘発するだけの実体が欠落しています。隠れた前提は「地域が戦略分野を選べば投資が集まる」という楽観ですが、実際は企業が立地を決めるのは補助金と市場アクセスであり、地域指定だけでは動きません。 次の観測点は、6月の策定までにGX分野の具体的な事業計画とKPIが示されるかです。