公用車の脱炭素化加速へ、GPSトラッカーで調査/NCS - ガスエネルギー新聞
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。
専門家の視点
公用車の電動化や運用効率化を進める上で、基礎となる「実走データ」が圧倒的に不足しているという実体があります。地方自治体ほど予算と人員が限られ、どの車両をいつ、どれだけ使っているかの把握すら手作業に頼っているのが現状です。今回のGPSトラッカーを用いた調査は、この実体の隙間を埋めるための第一歩として意味を持ちます。 一方で、物語は「脱炭素化の加速」と掲げられていますが、GPSで走行実態を調べること自体は手段であり、目的ではありません。調査の結果をどういうKPIで評価し、どのような導入計画や充電インフラの設計に結びつけるのか、その実行レイヤーが記事からは見えてきません。測定したデータを誰がどう意思決定に変換するのかという「翻訳の欠落」が構造的な課題です。 市場や市民の期待は「公用車がEVになる」というゴールに集中しがちですが、実態は稼働率の低い車両の削減や、タクシー・カーシェアとの代替という、より地味で本質的な選択肢も存在します。このズレを埋めるには、調査結果を待ってからではなく、同時並行で「データを受けてどう動くか」の制度設計を自治体と共有しておく必要があります。