【国際】ISSB、自然関連基準でシナリオ分析の取扱を暫定決議。LEAPアプローチは任意
ISSBが自然関連開示基準の協議で、シナリオ分析の開示要件やLEAPアプローチの任意性について暫定合意した。
専門家の視点
ISSBは自然関連基準で、気候基準と異なりシナリオ分析を必須とせず、LEAPアプローチも任意とする暫定決議を下しました。この決定の実体は、自然関連情報の測定手法が気候ほど確立していないという物理的・技術的制約です。生態系の複雑性や地域固有性が高く、統一的なシナリオ設定が困難であるため、企業に過度な負荷をかけるリスクを回避したと見られます。物語として、気候基準との一貫性を保ちつつ、自然関連では「実践可能な開示の優先」というフレーミングが採用されていますが、任意化された部分が実質的な情報比較可能性を損なう可能性には触れられていません。期待の面では、この「任意」という扱いが早期導入企業と様子見企業の二極化を加速させるでしょう。投資家は比較可能なデータ不足に再び直面し、市場の期待先行が冷ます構造です。ここで問い直すべき隠れた前提は、「気候と自然は同じ開示ロジックで扱える」という思い込みです。気候はグローバルな統一シナリオが機能しますが、自然は地域と業種によって評価軸が根本的に異なります。