自工会、記者会見を実施(5/21) - JAMA BLOG 一般社団法人日本自動車工業会
自工会が幹線輸送における水素トラック普及(マルチパスウェイの社会実装)について記者会見を実施した。
専門家の視点
日本自動車工業会が打ち出す「マルチパスウェイ」と水素トラック普及の記者会見は、物語と期待が先行し、実体が追いついていない典型的な構造です。実体として、幹線輸送での水素トラック普及には、水素供給インフラの整備コストや、現状の水素製造における脱炭素性の低さといった物理制約が横たわっています。また、バッテリーEVと比較した際のエネルギー効率の悪さも経済合理性の観点から無視できません。物語としては、多様な選択肢を尊重するというフレーミング自体は理解できますが、具体的な普及台数目標やKPI(重要業績評価指標)が示されておらず、失敗の扱いも不明瞭です。期待のレイヤーでは、水素関連銘柄への投資や政策支援が先行しがちですが、その期待に実体が追いつくための明確な時間軸や実行主体の議論が欠落しています。この記事の隠れた前提は「マルチパスウェイという言葉を使えば、現実の技術的・経済的困難が解消される」という点です。そうではないというのが実体です。結論として、この記者会見は物語先走りの構造にあり、次の観測点は、水素トラックの実証実験ではなく、水素供給インフラへの具体的な投資計画と、その採算性の公開です。