日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会が発足 規格統一など共通課題に対応
専門家の視点
ペロブスカイト太陽電池の本格普及には技術の進展だけでなく、規格統一や安全基準、廃棄・リサイクルといった制度設計の共通課題が山積しています。協議会発足は、各社が個別に取り組むよりも「共通のルールを先に作る」という物語を掲げた点が特徴です。しかし、実体としては量産技術や耐久性の実証がまだ途上であり、協議会の成果が実装スピードに追いつくかは不透明です。市場や投資家の期待は大きく先行しており、製造コストや寿命のデータがないままルールだけ先行するリスクがあります。隠れた前提は「規格統一ができれば普及が加速する」という発想ですが、実際には規格だけ定めてもユーザーや発電事業者が導入を決めるには、経済性と信頼性の証明が不可欠です。協議会は規格と同時に、実証データの共有やコスト削減の具体的な工程表を示す役割を期待されます。実体と物語の間に時間差があるまま、期待だけが膨らむ典型的な構造です。次の観測点は、協議会がいつまでにどの規格を確定し、量産開始時期と整合させるかです。
次世代の太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池の普及に向けて、関連メーカー各社が共同で「日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会(JPSC)」を設立した。 次世代の太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池の普及に向けて、関連メーカー各社が共同で「日本ペロブスカイト太陽電池普及促進協議会(Japan association for the promotion of Perovskite Solar Cells=JPSC」を2026年5月15日付けで設立した。製品規格の統一やリサイクル手法の確立など、同太陽電池の製造に関わる民間企業の共通課題の解決が目的だ。 ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能という特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として注目を集めている。2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年までに約20GWのペロブスカイト太陽電池を導入する目標を掲げており、政府としても重点産業分野として支援する方針を打ち出している。 一方、市場としては黎明期の段階であり、今後の本格的な普及に向けては安全性や品質保証ならびにその認証、製品規格の標準化、サプライチェーンの構築、リサイクル技術の確立などの課題も残っている。 今回設立されたJPSCは、こうした課題の解決を目的としており、政策提言なども行っていく考え。国産ペロブスカイト太陽電池の国際的な競争力を高めるため、太陽電池製造企業だけでなく建設業や施工企業など、関連企業が幅広く協力し合う業界団体として運営する方針だという。 設立時点では、アイシン、エネコートテクノロジーズ、積水ソーラーフィルム、パナソニック、リコーの5社が参画。代表理事は東京大学 客員教授の田中良氏が務める。2026年12月をめどに会員企業の募集も開始する計画だ。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 建設をエネルギーとICTで変える「BUILT」オープン!! 【特集】改正FIT法で対応必須! 太陽光発電の運用保守 ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境
本文は配信元の記事から取得した抜粋です。
配信元の記事を読む →