制度・政策

第3回長期脱炭素電源オークションの結果が公表 落札は32件・730万kWに - ITmedia

2026-05-20
電力広域的運営推進機関が2025年度応札の第3回長期脱炭素電源オークションの結果を公表し、32件・730万kWが落札された。

専門家の視点

長期脱炭素電源オークションの第3回結果で、落札件数32件・730万kWという数字が出ました。この実体は、前回の第2回(約849万kW)から数量が減少している事実です。制度設計としては「長期安定電源の確保」という物語が掲げられていますが、ここに構造的なズレが生じています。入札価格の上限や約定条件に加え、事業者が実際にプロジェクトを実行できるかどうかの「実行レイヤー」が十分に機能しているかという点が問われます。火力からの転換や新規電源開発には許認可・用地調達・系統接続という時間軸の長い工程があり、オークションの落札が直ちに実現を意味しないという隠れた前提があります。現時点では、政策の物語(脱炭素電源の着実な拡大)と実体(実行リスクと落札数量の減少)の間に開きが生じ始めている構造です。次の観測点は、落札されたプロジェクトの着工率や運転開始時期の実績にあります。数量が物語を通さずに現実を映すかどうかが、この制度の信頼性を左右します。

電力広域的運営推進機関は3回目となる長期脱炭素電源オークション(2025年度応札)を2026年1月に実施。その約定結果が5月13日に公表された。 電源投資回収の長期的な予見可能性を高め、脱炭素電源への新規投資を促進することを目的に、容量市場の一つとして「長期脱炭素電源オークション」が2023年度に導入された。同オークションで落札した電源は、マルチプライス方式で決まった容量収入を原則20年間得ると同時に、他市場から得た収益の約9割を還付する仕組みとしている。 電力広域的運営推進機関は、本制度開始後3回目となるオークション(2025年度応札)を2026年1月に実施し、その約定結果が5月13日に公表された。 長期脱炭素電源オークションが対象とする電源は、あらゆる脱炭素電源の新設・リプレースおよび既設火力の脱炭素化への改修における新規投資である。ただし、オークション開催時点では応札が想定されない電源や入札上限価格を設定することが困難な電源等は、入札の対象から除外されており、2025年度の入札対象及び上限価格は表1の通りである。太陽光や蓄電池等はエリアごとに調整係数が異なるため、表1では上限価格を幅をもって示している。 2024年度第2回入札と比べ2025年度第3回入札では、以下の変更が行われている。 また、短期的な電力需給逼迫防止の観点から、2023~2025年度の3年間は、LNG専焼火力の新設・リプレースも入札対象としている(2026年度以降の追加募集は今後検討)。LNG専焼火力であっても、制度趣旨に則り、供給力提供開始から10年以内に脱炭素化に向けた対応を開始し、2050年までに脱炭素化を完了することが応札条件とされている。 第3回オークションにおける脱炭素電源の募集量は、図2のように500万kW(第1回は400万kW、第2回は500万kW)である。「既設原発の安全対策投資」は、第2回入札において315万kWが落札し、その募集上限200万kWを大きく上回ったことを踏まえ、第3回では募集上限を150万kWに縮小している。また、「脱炭素火力(水素・アンモニア・CCS)」は上限価格を約2倍に引き上げたため、需要家負担に配慮し、その募集上限は50万kWに縮小された。 なお、落札電源の総容量が脱炭素電源の募集量に達せず、募集枠に残りがある場合、募集上限を超えて落札処理が行われる。ただし「蓄電池・揚水・LDES」は、放電・発電のためには蓄電・ポンプアップが必要であり、供給力としての価値が限定的であるため、落札量は最大でもそれぞれの募集上限の2倍までとしている。 またLNG専焼火力の募集量は、図2の外に、約293万kW(2024年度の残余分約93万kWを含む)とされている。 オークションで落札した電源が容量収入を得られる期間(制度適用期間)は原則20年間であるが、事業者は20年よりも長期の適用期間(1年単位)を希望することも可能である。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 建設をエネルギーとICTで変える「BUILT」オープン!! 【特集】改正FIT法で対応必須! 太陽光発電の運用保守 ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境

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