排出量算定

高品質なカーボンクレジット確保へ、大阪ガスが国際枠組み参画 | スマートグリッドフォーラム

2026-05-20

専門家の視点

大阪ガスが参画したARC Coalitionは、2030年までに高品質なカーボンクレジット1000万トン以上の調達を掲げ、需要集約と初期プロジェクトへの資金供給を支援する枠組みです。しかし、この「高品質」の定義はICVCMなどの国際ルールを参照しつつも、柔軟性を確保するとされ、実際のクレジットの環境的追加性や永続性が保証されるかは不透明です。1000万トンという目標は、全球排出量(数百億トン)と比べて極めて小規模であり、気温目標達成への実質的な寄与は限定的です。また、参加企業がバイヤーとして需要を集める一方で、自社の排出削減努力を代替するリスクが潜んでいます。記事は「ステークホルダー連携」の重要性を強調しますが、具体的な責任配分や各社の削減コミットメントとの関係は省略されており、主語が曖昧です。本アライアンスは、市場の信頼性向上を意図するものの、規模と効果のギャップ、そして目的(気候変動対策)と手段(クレジット調達)の倒置が懸念されます。日本企業・GX人材は、クレジットを自社の真の排出削減を補完する手段と位置づけ、外部の枠組みに依存しすぎない戦略が求められます。

インプレスSmartGridニューズレター編集部 2026年5月20日 (水曜) 19:29 大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)は、カーボンクレジットの新たな国際的アライアンス「Action for a Resilient Climate (ARC) Coalition(以下、ARC Coalition)」への参画を、2026年5月20日に発表した。同アライアンスは、品質の高いカーボンクレジットの需要を集約し、それらを創出するプロジェクトへの資金供給を支援するという。 ARC Coalitionは、シンガポールを拠点に設立される非営利団体。大阪ガスに加え、三菱商事株式会社、Bain Company、 Carbon Growth Partners、CATL、Climate Bridge International、Climate Impact X、 Enterprise Singapore、GenZero、Rubicon Carbon、Tencent、Vale、World Wide Fund for Nature (WWF) Singaporeが参画する。 2030年までに、高品質なカーボンクレジットを1000万トン以上調達する目標を掲げている。そのため、企業バイヤーを集め、カーボンクレジットの需要と活用を促進するという。当面はアジア地域におけるカーボンクレジット需要の集約に注力する。 カーボンクレジットの供給量を拡大するため、パートナーや金融機関と連携し、初期段階のプロジェクトに資金を供給する仕組みを構築・実装する。この点が他のカーボンクレジット関連アライアンスとは異なるという。 カーボンクレジットの選定・活用に関する基準を整備する。各国政府が主導するカーボンクレジットの国際的な枠組み「Coalition to Grow Carbon Markets」や、ボランタリーカーボン市場の国際的な枠組み「ICVCM」注1が採用する国際ルールを参考にしながら、初期段階のプロジェクトを支援するための柔軟性も確保する。さらに、格付機関を活用し、市場の信頼性向上と一貫性の確保を図り、標準化されたルールやガイダンスの策定に関与する。 カーボンクレジット調達を効率化するため、プロジェクトの評価、選定、契約、管理に関わるプロセスを提供する。 自然由来のカーボン除去クレジットの購入を目的とする企業バイヤーのアライアンス「Symbiosis Coalition」とも連携する。共通分野において優れた取り組み事例の共有を図り、品質基準やデューデリジェンス注2、契約プロセスの高度化を進める。 大阪ガスによると、パリ協定の長期的な気温目標の達成や企業のサステナビリティ活動において、高品質なカーボンクレジットは重要な役割を担う。カーボンクレジット市場の継続的な成長には、ステークホルダー間のより強力な連携が不可欠である。 注1:ICVCM(Integrity Council for the Voluntary Carbon Market):ボランタリーカーボン市場において、高品質なカーボンクレジットの基準を設定し、市場の健全性と信頼性を高めるための国際的な独立枠組み。注2:デューデリジェンス:投資や取引などを行う際に、対象となるプロジェクトや企業の実態・リスクを適正に評価するための事前調査。 大阪ガス株式会社 プレスリリース 2026年5月20日、「カーボンクレジットの需要および資金供給支援を目的とした新たなアライアンスの発足について」 使用済みアルミの水平リサイクルで新地金とCO2排出を削減、旭化成ホームズとLIXILが協業 スタートした特定計量制度! ガイドラインに見る「対象となる計量例」と「対象とならない計量例」 タンデム型ペロブスカイト量産へ、政府が2社に94億円支援 PoEによる直流給電:IEEE 802.3af/802.3atからUPOEまで NGNの核となるIMS(2):IMSのアーキテクチャ、インタフェースとプロトコル 電力自由化時代の「調整力」「同時同量」とは? インプレスSmartGridニューズレター編集... 使用済みアルミの水平リサイクルで新地金とCO2排出を削減、旭化成ホームズとLIXILが協業 インプレスSmartGridニューズレター編集... 積水・パナらペロブスカイトメーカー5社が新団体、規格策定やサプライチェーン構築で連携 インプレスSmartGridニューズレター編集... 溶解炉1台が排出するCO2全量を分離・回収、アイシンが実証 インプレスSmartGridニューズレター編集... SX銘柄に日立など15社選定、注目企業にキオクシアなど2社 経産省・東証 インプレスSmartGridニューズレター編集... グローバルで

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