脱炭素電源入札、LNG300万キロワット超落札/約定総額も大幅増 – - 電気新聞ウェブサイト
脱炭素電源入札でLNG30万キロワット超が落札され、約定総額も大幅に増加した
専門家の視点
脱炭素電源入札でLNG火力が300万キロワット超落札され、約定総額も大幅に増加したという事実は、日本の電力市場における「実体」の大きな変化を示しています。これは、再生可能エネルギーだけでは調整力や安定供給が確保できないという物理制約を、市場メカニズムが反映した結果です。 しかし、ここには「脱炭素電源」という物語と実体との間に構造的なズレが存在します。LNGは天然ガスであり、発電時にCO2を排出するため、真の意味での脱炭素電源とは言えません。この入札は、アンモニア混焼やCCS(炭素回収・貯留)といった将来の追加技術を前提とした「トランジション電源」として位置づけられています。つまり、現在の技術と経済合理性(実体)が、脱炭素という長期目標(物語)にまだ追いついていないという構造です。 期待のレイヤーでは、投資家や発電事業者がこの入札結果を肯定的に受け止め、LNG火力への投資を加速させる可能性が高いです。しかし、市民や環境団体からは「脱炭素と言いながら化石燃料を増やすのか」という批判が生じるでしょう。この期待の二極化が、今後の政策や市場の不安定要因になりえます。