経済同友会が提言「脱炭素で稼ぐ」 梶村猛氏・GENDA代表に聞く
経済同友会がカーボンニュートラルを収益源とする「稼ぐ産業」に転換する提案を行い、行政連携と企業間協力の重要性を強調。生成AIによる脱炭素対策なども提案。関西経済の競争力強化を狙う。
専門家の視点
経済同友会の提言には「脱炭素で稼ぐ」という明快な物語があります。行政連携や企業間協力を通じて、カーボンニュートラルを収益源に転換するというビジョンは明確です。しかし、ここには「誰が実行するのか」という実行レイヤーが欠落しています。提言は方向性を示すものの、産業横断的な協力を具体化する主体や、生成AI活用のための専門人材の確保策には触れられていません。実体として、関西経済の現状での炭素依存度や、各企業のコスト負担の構造が語られないまま、物語だけが先行しています。物語先走りの構造です。この提言が「稼ぐ」と称する以上、収益化の時間軸と可逆性を問う必要があります。生成AIによる脱炭素対策は、実証段階から社会実装までに数年を要するため、短期の収益には直結しません。次の観測点は、経済同友会がこの提言を自らの会員企業の投資行動や経営計画にどうリンクさせるかです。物語を実体に変えるには、実行主体と具体的なKPIが不可欠であり、それなしでは期待だけが先行するリスクを抱えています。