愛知製鋼、水素燃料船に提供。FCV向けステンレス鋼、NK製造法承認 - 日本海事新聞
愛知製鋼が水素燃料船向けFCV用ステンレス鋼でNK製造法承認を取得、国内外への展開を目指す
専門家の視点
愛知製鋼が水素燃料船向けステンレス鋼で日本海事協会(NK)の製造法承認を取得した事実は、水素社会の実現に向けた「実体」の積み上げです。この承認は、燃料電池車(FCV)向けに培った材料技術が船舶という新たな用途に拡張可能であることを示す、測定可能な進展です。 一方で、国内外の水素燃料船への適用拡大という「物語」は、現時点ではビジョンに過ぎません。水素燃料船の商業運航はまだ限定的であり、インフラや燃料供給網の整備が追いついていないのが実情です。ここには「物語先走り」の構造が潜んでいます。技術の実績は確かでも、その技術を実際に使う船舶が市場にどれだけ存在するかが現時点では不透明です。 また、この記事は「トヨタグループ唯一の製鋼専業メーカー」という強固なサプライチェーン上の位置づけを隠れた前提としていますが、水素燃料船という領域では、トヨタグループ内の需要だけでは市場規模が限られる可能性があります。次の観測点は、同社がこの承認を足がかりにグループ外の船主や造船所との協業をどの程度具体化できるかです。