制度・政策

半導体やAI、造船など産業集積へ 政府、「戦略」素案を公表 - TNCニュース

2026-05-18
政府が洋上風力発電の導入が進む東北など7ブロックにGX産業集積を目指す「戦略」素案を公表した。

専門家の視点

この計画の構造的な課題は、物語先走りと実体欠落の並存です。政府は「半導体・AI・GX」などの旗印でブロック別集積を掲げますが、実体はラピダスやTSMCの立地決定という個別プロジェクトの延長線上でしかありません。「戦略産業クラスター」という物語は成立していますが、実際の投資判断や技術実証の実行レイヤーが各ブロックにどの程度具体化するのかは示されていません。特に洋上風力などGX分野は、系統接続や港湾整備といった物理制約が解消されない限り、企業の大規模投資は期待通りに動きません。制度としてのクラスター指定は早いものの、発電所の建設可否や送電線の許認可といった手続きの非対称性が実行を阻みます。また、地方の自治体や中小企業がこの戦略を実行する人材・技術を十分に持っているかという実行レイヤーが欠落したままです。この計画が真に機能するかは、次年度の補正予算における税制優遇や補助金の具体的設計、そして地元企業の実際の参画率にかかっています。次の観測点は、各ブロックのGX関連投資が実証から量産へ移行するタイミングです。

政府は18日、地方経済活性化のため、全国10ブロック別に集積する産業を指定する「戦略産業クラスター計画」の素案を公表した。半導体や人工知能(AI)、造船など戦略分野の産業を集積することで、企業から大規模投資を呼び込む狙いがある。6月にもまとめる「地域未来戦略」に反映させる。 政府が重点投資対象として掲げる半導体や造船など17分野を念頭に、産業の立地状況や企業の進出状況を踏まえて産業分野を指定した。高市早苗首相は同日、首相官邸の会合で「自治体と緊密に連携し、成長基盤となる産業クラスターを戦略的に形成していく」と述べた。 素案ではラピダスが立地する北海道や、台湾積体電路製造(TSMC)が進出した九州など8ブロックが半導体を指定。洋上風力発電の導入が進む東北など7ブロックが「GX(グリーントランスフォーメーション)」を集積するとした。 近畿は昨年の大阪・関西万博で注目された「空飛ぶクルマ」などを念頭に「空モビリティ」を主要分野に挙げた。中国・四国は国内有数の製造拠点があることから、造船分野を強化する。 戦略には、同計画のほか都道府県単位で企業支援を目指す「地域産業クラスター計画」や、農林水産や観光、伝統工芸などの地域資源を活用する「地場産業成長プラン」も反映される見通し。【原諒馬】

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