企業動向

共同発表:化石燃料ゼロへのエネルギーシステム転換~脱炭素化と脱化石燃料化の違いを定量評価~ - jst.go.jp

jst.go.jp 2026-05-19
企業のGX対応事例として、現場で何が求められるかを知る手がかりになります。

専門家の視点

科学技術振興機構(JST)の発表は、脱炭素化と脱化石燃料化を区別せずに論じられる風潮に対して、定量評価という手法で明確な線引きを試みています。実体として、CO2排出量をゼロにしても、CCSやカーボンオフセットを前提とすれば化石燃料使用が残るという事実は、多くの議論で軽視されてきました。この発表は、脱炭素という物語が「排出削減さえすれば良い」というフレームで語られることへの構造的な問い直しです。しかし、この評価が既存のエネルギーシステムの物理的制約や投資の不可逆性まで踏み込んでいない点が、実体と物語のズレにあたります。脱化石燃料化の経路には、再エネや原子力への大規模転換だけでなく、需要側の行動変容も必要ですが、発表ではその実行レイヤーや時間軸が明示されていません。期待のレイヤーでは、投資家や政策決定者が脱炭素を達成手段とみなして化石燃料資産を手放さないリスクが潜みます。この分析が示す構造は、物語が実体を先走るパターンに近く、脱炭素というゴールが脱化石燃料化というプロセスを置き去りにしている現実です。次に見るべき点は、定量評価の結果が実際の政策や企業の投資判断にどう反映されるかです。

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