排出量算定

炭素会計「1次情報で正確に」 新団体、専門委に三井物産 - 日本経済新聞

日本経済新聞 2026-05-18
炭素会計を一次情報で正確に行うための新団体が設立され、専門委員に三井物産が就任した記事

専門家の視点

炭素会計の一次情報取得という、これまで属人的な推計に依存していた領域に、三井物産という大規模なサプライチェーン管理の実務者が専門委員として入ったことは、単なる参加表明以上の意味を持ちます。一次情報が増えれば推定値の補正精度は上がりますが、問題はその情報の取得コストと、異なる業種間でのデータフォーマットの統一です。実体としては、現状のサプライチェーン全体で一次情報をカバーできる企業はごく一部であり、新団体がどこまで実効性のある標準化を実行できるかが成否を分けます。この取り組みは、現実の排出実態を正確に把握したいという企業のニーズと、制度としての信頼性向上を両立させる試みですが、実行レイヤーである個々の中小企業の負担や、情報開示のリスクをどう扱うかという隠れた前提があります。構造的に見ると、物語は「正確で信頼できる炭素会計」ですが、実体は大企業と中小企業の間での情報格差が依然として大きいことです。この団体の次の観測点は、合意された基準が実際の調達プロセスでどの程度の強制力を持つかであり、指導要領レベルにとどまるか、投資判断に直結するかで市場の反応が変わります。

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