長期脱炭素電源オークション、大間原発など落札 OCCTO公表 - 日刊工業新聞
OCCTOが長期脱炭素電源オークションで大間原発などが落札したことを公表した。
専門家の視点
長期脱炭素電源オークションで大間原発の落札が公表されましたが、ここに実体と物語の間に大きなズレが存在します。実体として、大間原発は2008年着工以来、断続的な工事中断と完成時期の先延ばしを繰り返しており、現在も具体的な運転開始時期が確定していません。制度上の「脱炭素電源」という枠組みに当てはめることは可能でも、物理的に発電できる状態にあるかは別問題です。一方、物語としては長期安定供給とCO2削減を前面に出した説明がなされますが、途中で頓挫した場合のリスク分担や、オークション制度の信頼性への影響については十分に語られていません。 ここでの構造的論点は、制度の実行可能性と実際のプロジェクト進捗の非対称性です。制度の導入は早くても、工事の遅延や地元調整の長期化という実体が物語に追いついていません。期待レイヤーでは、電力市場や投資家がこの落札結果を「原発推進の政策シグナル」と受け止め、過度に先行する可能性があります。 隠れた前提として、「長期」という時間軸が制度設計上当たり前とされていますが、大間原発の工期を考えれば、この長期は数十年単位の不確実性を含んでいます。