企業動向

脱炭素と成長の両立進む JEMA、会員企業24年度 - 日刊工業新聞

日刊工業新聞 2026-05-17
日本電機工業会(JEMA)の会員企業における脱炭素と成長の両立が進んでいることを報じる記事。

専門家の視点

会員企業の脱炭素と成長が両立しているという報告は、ESG投資やカーボンニュートラル目標に対する説明責任を果たすための「物語」として機能しています。しかし、ここで問うべきは「実体」との整合性です。例えば、売上高や営業利益の増加とCO2排出量削減の同時達成が示されていても、その内訳が省エネ製品の販売増なのか、自家消費再エネの導入によるオフセットなのか、あるいは排出量の定義範囲の変更によるものなのか、という実態は記事からは読み取れません。また、日本電機工業会の会員は多様な業種・規模にわたるため、全体平均の数字が個別企業の苦闩を覆い隠すリスクもあります。ここには「実体が翻訳されていない」構造があります。つまり、好事例の羅列で終わっており、なぜ両立が可能になったのかの因果メカニズムや、今後持続可能な経路であるのかの検証が不足しています。次の観測点は、各社の排出原単位改善率と設備投資の内容です。時間軸で見れば、現時点での両立は過去の省エネ投資の果実を享受している局面に過ぎず、今後Scope3を含めたサプライチェーン全体での削減が求められれば、成長とのトレードオフが顕在化する可能性が高いです。

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