第36回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ - meti.go.jp
産業構造転換分野に関する政府の審議会(グリーンイノベーションプロジェクト部会)の第36回会合の資料が公開されました。
専門家の視点
この審議会ワーキンググループの開催事実そのものが、構造的な一つの信号です。第36回という回数を重ねているにもかかわらず、市場や企業の具体的な行動変容に直結する新たな数値や制度変更の発表が本文から読み取れません。ここには「物語先走り」の構造が現れています。政府はGXの方向性を定期的に審議する仕組みを維持し続けていますが、そのアウトプットが産業構造の転換という実体の変化に結びついているかは不明瞭です。議論の場は整っているが、そこで決まったことが現場の投資判断や技術選択のスピードを変えているかという点で、実体とのズレが生じています。隠れた前提は「審議会を開けば産業構造は転換する」という発想です。しかし、実際の転換は審議会の場ではなく、個別企業のリスクテイクと長期資金のコミットメントでしか進みません。このワーキンググループの次に見るべきは、審議の内容が各省庁の補助金設計や規制改革の具体的な工程表に翻訳されているかどうかです。議論の場と実行の場が分離したままでは、この取り組みは「話し合いのための話し合い」に留まるリスクを持ちます。