今後の供給力確保について - meti.go.jp
経済産業省が今後の電力供給力確保に関する方針を公開している
専門家の視点
経済産業省が公開した電力供給力確保の方針には、実体と物語の間に明確なズレがあります。実体として、再エネの導入拡大や火力発電のフェードアウトが進む一方で、供給力の安定性を担保する具体的な技術や制度の実装は遅れています。物語は「安定供給と脱炭素の両立」を掲げますが、これを実現するためのバックアップ電源の確保や需給調整市場の設計、火力の段階的縮小スケジュールと水素・アンモニア混焼への転換時期が具体的に示されていません。特に、需要家側のDR(デマンドレスポンス)や蓄電池の活用が期待されていますが、これらの実行主体となる電力会社やアグリゲーターの事業リスクや収益性の見通しは依然不透明です。この構造は物語先走りといえます。政策のビジョンは壮大ですが、実体である制度設計や投資インセンティブ、人材の執行力が追いついていないからです。次の観測点は、2025年度の需給検証で具体的な目標数字と達成手段が示されるかどうかです。日本企業のGX人材にとっては、現在の物語を鵜呑みにせず、自社の電力調達戦略に複数シナリオを用意することが不可欠です。