ペロブスカイト太陽電池国内市場、40年度導入量は12.5GW
専門家の視点
この予測は、2040年度に12.5GWという導入目標を掲げていますが、現時点での実体と期待の間に大きなズレがある構造です。まず実体として、ペロブスカイト太陽電池はまだ実証段階であり、量産技術や耐久性の課題が完全に解決されていません。国内では積水化学工業やカネカがパイロットラインを稼働させていますが、2030年までの商業化を目指す段階です。物語としては、政府のGX実現に向けた「次世代型太陽電池の導入拡大」という明確なビジョンが先行していますが、具体的な制度設計や補助金の執行スケジュールは不透明です。隠れた前提として、この12.5GWという数字が、既存シリコン太陽電池と比較したコスト競争力や設置可能な建物壁面・窓の面積が十分に確保されることを当然としていますが、実際には既存ストックへの改修コストや建築基準法との整合性といった実装障壁が軽視されています。期待先行の構造であり、市場は2040年までの成長を見込んでいますが、実体が追いつくには技術実証と制度整備の両方が同時に進む必要があります。
矢野経済研究所は、タンデム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)の日本市場を調査し、2040年度までの導入量(累積)を予測した。タンデム(多接合)型と単接合型を合わせた累積導入量は、2040年度に12.5GWを見込む。 矢野経済研究所は2026年5月、タンデム型ペロブスカイト太陽電池(PSC)の日本市場を調査し、2040年度までの導入量(累積)を予測し発表した。タンデム(多接合)型と単接合型を合わせた累積導入量は、2040年度に12.5GWを見込む。 今回の調査は、タンデム型ペロブスカイト太陽電池を対象とした。ボトムセル(下側セル)に結晶シリコン(Si)やペロブスカイト、CIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン化合物)などを用い、トップセル(上側セル)にペロブスカイトを重ねて1つの太陽電池にした製品だ。調査は2026年1~3月に行った。 予測によれば、2035年度におけるペロブスカイト太陽電池の累積導入量は、新規で823MW、リプレースで999MWとなる。その後は導入も急速に立ち上がり、2040年度は新規で5121MW、リプレースで7422MWに達する見通しだ。 調査によれば、PSCの導入量は新規の場合、軽量で柔軟性に優れたペロブスカイト/ペロブスカイトまたは、ペロブスカイト/CIGSのタンデム型が採用されると予測。 リプレースの場合、住宅の屋根やビルの屋上などに設置された、結晶シリコン(Si)太陽電池からの置き換えが主体となる。このため、ペロブスカイト/Si太陽電池の採用が中心となる見通しだ。 Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. All material on this site Copyright ITmedia, Inc. All Rights Reserved. This site contains articles under license from AspenCore LLC. ITmediaはアイティメディア株式会社の登録商標です。 メディア一覧 | 公式SNS | 広告案内 | お問い合わせ | プライバシーポリシー | RSS | 運営会社 | 採用情報 | 推奨環境
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