EUや中国等の「排出権取引制度(ETS)」導入国が、カーボンプライシング機能等を相互強化するための「コンプライアンス型カーボン市場オープン連合(OCCCM)」設立。日本参加せず(RIEF) - 一般社団法人環境金融研究機構
EUや中国などが排出権取引制度を相互強化する国際連合を設立したが、日本は参加していないというニュース。
専門家の視点
EU・中国など排出権取引制度導入国が「コンプライアンス型カーボン市場オープン連合(OCCCM)」を設立し、日本が参加しないという構図には、制度の相互運用性と参加国の実体経済の間に構造的なズレが生じています。実体面では、各国のETSは排出上限価格・セクター対象範囲・オフセット品質が異なり、相互接続には技術的・規制的な調整が膨大です。一方、物語は「カーボンプライシングの国際的強化」ですが、連合の実効性は参加国間の制度の近似度に依存します。この連合は、炭素国境調整メカニズム(CBAM)と組み合わさることで、非参加国に事実上のカーボン価格を課すという前提が隠れています。しかし、日本が参加しない理由は単なる政治判断ではなく、現行のGXリーグ制度が強制力のない自主的枠組みであり、コンプライアンス型ETSと整合しにくいという制度的制約があります。期待先行の構造です。市場は連合設立をカーボンプライシングの国際標準化と受け止めがちですが、実体は各国制度の差異を調整する膨大な手続きが先行しており、実際の排出削減効果が発現するまでの時間軸は長期化します。