政治リスク顕在化も、エネルギー安保が再エネに追い風 - 日経クロステック
政治リスクはあるが、エネルギー安全保障が再生可能エネルギーへの追い風となっていると分析している記事。
専門家の視点
エネルギー安全保障という実体は、再エネ導入を後押しする強力な推進力です。地政学リスクによる化石燃料の価格高騰や供給不安は、経済合理性として再エネ優位性を高める測定可能な事実です。一方で、政治リスクは政策変更や補助金縮小といった制度の不確実性として存在し、この二つは時間軸で異なる作用を及ぼします。物語は「安全保障が追い風」と単純化しますが、実際には電力系統の増強や揚水発電など調整力の確保という実体が追いつかなければ、再エネ拡大は頭打ちになります。ここにあるのは、地政学リスクという短期的な追い風に物語が引き寄せられ、系統整備という長期的な実体の翻訳が不足する構造です。隠れた前提は「再エネ拡大が即、安全保障強化になる」という見方ですが、需給逼迫時には再エネの変動性がそのまま停電リスクに転化します。次の観測点は、系統増強の投資回収メカニズムと、再エネ大量導入時の卸電力市場の価格シグナルです。この二つが整わない限り、追い風は持続しないと断定します。エネルギー安保を口実に再エネを進める物語は、系統という実体の制約で必ず減速するからです。