再エネ・技術

ゴミ焼却熱で脱炭素蒸気 横浜市・東亞合成、再生実証 - 日刊工業新聞

日刊工業新聞 2026-05-11
横浜市と東亞合成がゴミ焼却熱を利用した脱炭素蒸気の再生実証を開始し、廃熱活用によるCO2削減技術の実用化を目指す。

専門家の視点

ごみ焼却熱を都市部の工場需要に結びつける本実証は、CO2削減効果の計測可能性と事業継続性という二つの実体を備えています。一方で、焼却熱の供給が安定的であるか、事業採算が成り立つかといった運用面の検証は、まだ物語として具体化されていません。さらに、廃熱は発生源と需要地の距離に制約されるため、横浜市という特定エリアでの成功が他の都市にそのまま移植できるとは限りません。ここで問い直すべき隠れた前提は、廃熱利用が「都市の脱炭素化に不可欠」という認識です。実際には、焼却施設の更新時期やごみ量の減少傾向を踏まえると、廃熱の供給自体が将来的に縮小する可能性があり、実証の成功が長期的な削減策の代用品とみなされる危険性があります。現時点で市場や政策の期待が技術実証の成果に先行している点が、この案件の核心的なズレです。次の観測点は、実証期間終了後の事業化判断と、供給リスクを織り込んだ際の収支モデルです。廃熱利用は時間をかけて効く技術であり、その可能性を評価しつつも、他の再生可能エネルギー熱源との併用を視野に入れた複線的な戦略が、横浜市と東亞合成には求められる構造です。

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