企業動向

脱炭素に「取り組む予定ない」が5割超 川崎市が中堅・中小企業に調査 - カナロコ

カナロコ 2026-05-15
川崎市の調査で、中堅・中小企業の5割超が脱炭素に取り組む予定がないことが判明。GX業務従事者はこの実態を把握し、対応を検討する必要がある。

専門家の視点

脱炭素経営の実態と政策目標の間に、明確な構造的ズレが生じています。調査結果は「実体」そのものの可視化であり、5割超の企業が「予定なし」と回答した背景には、人手不足やコスト負担、取引先からの具体的要請がないという市場構造が横たわっています。ここで重要なのは、この数字を「意識の低さ」と解釈する物語が広がりうる点です。しかし実際には、脱炭素の便益が自社の売上や競争力に直結していないという経済合理性の欠如が本質です。制度面では、川崎市のような自治体の支援策が大企業向けサプライチェーン排出量算定に偏り、中小企業の実務担当者に届いていない可能性があります。期待のレイヤーでは、政策側が「宣言」を先行させ、企業側の実行容量との非対称性が拡大しています。この調査が示すのは、啓発では解決しない構造的問題であり、次の観測点は、脱炭素に取り組む企業との収益格差がいつ顕在化するかです。現時点で、予定なしと回答した企業群が、取引条件の変化やエネルギー価格の高止まりによって、短期間で対応を迫られる展開が最も現実的なシナリオです。

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