制度・政策

大間原発と泊1号機を支援、長期脱炭素オークション 落札原発6基に - 朝日新聞

朝日新聞 2026-05-13
長期脱炭素オークションで大間原発など6基の原発が落札され、脱炭素電源として政府が支援する方針が示された

専門家の視点

長期脱炭素オークションで原発6基が落札された事実は、既存の火力発電とは異なる新たな収益基盤が原発に与えられたことを示しています。ここでの核心的なズレは、脱炭素価値の「制度化」と原発の「新増設・運転継続」という時間軸の非対称性です。オークションは既に存在する電源の容量市場的な性格を持ち、将来の電力を約束する仕組みですが、大間原発の竣工や泊1号機の再稼働には、安全審査や地元同意という不確実な手続きが残ります。つまり、制度が先に動き、物理的な実体が追いつかない「物語先走り」の構造です。加えて、落札価格や契約期間が明示されないまま、電力コストへの転嫁という国民負担の議論が欠落しています。市場はこれを脱炭素投資の好機と見るかもしれませんが、原発の廃炉リスクや事故時の賠償責任といった長期債務が制度改革で解消されていない以上、投資家の期待は制度的な保証に過度に依存しています。次の観測点は、落札6基のうち、未稼働の設備が契約期間内に発電を開始できるかという実行可能性です。このオークションは、脱炭素という物語が、技術的・社会的な現実を一時的に先取りした典型例です。

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