制度・政策

泊原発1号機、「脱炭素電源」の支援対象に 防潮堤建設資金などに充当へ - 北海道新聞デジタル

北海道新聞デジタル 2026-05-13
泊原発1号機が政府の脱炭素電源支援対象となり、防潮堤建設資金に充当される方針が示された。

専門家の視点

泊原発の支援対象化は、脱炭素とエネルギー安全保障という物語が、既存の原発維持という実体を覆い隠す構造です。防潮堤建設資金の充当は、安全対策費用をGX投資として位置づける制度運用の拡張であり、本来なら火力発電の廃止や再エネ拡大に振り向けられるべき資金の一部が、原発の延命に流れることを意味します。ここでのズレは「実体が翻訳されていない」のではなく、むしろ実体そのものが物語に回収されつつある点です。GX支援の枠組みが、政策目的の手段から、原発維持のための資金調達手段へと転用される時、脱炭素の優先順位が制度的に曖昧になります。次の観測点は、この支援対象化が泊原発の再稼働時期や追加投資の判断にどのように影響するかです。時間軸で見れば、防潮堤建設は数年単位の工事であり、その間の電力需給や再エネ導入進捗によって、支援の経済合理性は変動します。隠れた前提として「原発は脱炭素電源である」という分類そのものが、核廃棄物や事故リスクの外部不経済を勘定に入れない計算に依拠しています。この前提を問い直せば、GX支援の境界線は、技術的特性ではなく政治的决定で引かれていることが見えてきます。

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