カーボンニュートラルへ総力戦…トヨタやENEOSなどが開発『低炭素ガソリン』実用化目指し24 ...
トヨタとENEOSなどが共同で低炭素ガソリンの実用化を目指し、24時間耐久レースで実証試験を実施している。再生可能エネルギーの記事。
専門家の視点
低炭素ガソリンは、実体としての技術確立と、物語としての「総力戦」という表現の間に大きなズレを抱えています。ENEOSとトヨタによる合成燃料は、カーボンニュートラル実現への過渡期をつなぐ技術である一方、その供給量は全燃料需要の数パーセントに留まる見込みです。この事実は、既存の内燃機関を維持したい自動車業界の物語が、水素やEVといった代替技術の勢いに比べて後手に回っていることを示します。実際、レースでの実証は技術的な見せ場ですが、市販車への展開やインフラ整備という実行レイヤーは未だ不明瞭です。時間軸で見れば、この技術は可逆性が高く、既存の流通網を活用できる点が最大の利点ですが、その分、供給コストの低減がすべての鍵を握ります。ここでの隠れた前提は、既存エンジン車の存続を前提にした未来図であり、それが本当に脱炭素の本命たりうるかは議論の余地があります。観測点は、2030年時点での価格と供給量が国際的な基準に達するかです。低炭素ガソリンは、現実と理想の橋渡し役でありながら、その存在が逆にEV化の遅延を正当化するリスクを内包しています。