再エネ・技術

グローバルでペロブスカイト太陽市場を創出へ、東洋製罐グループが蘭Perovion・TNOと提携

2026-05-15
東洋製罐グループがオランダの企業・研究機関と提携し、次世代太陽電池であるペロブスカイト太陽電池のグローバル市場創出を目指す事業動向

専門家の視点

本提携は、ペロブスカイト太陽電池のグローバル市場創出という大きな目標を掲げていますが、その実体は東洋製罐グループが材料供給、Perovion社がセル製造、TNOが開発支援と、それぞれの既存技術を持ち寄った分業体制の構築です。注目すべきは、記事中に具体的な投資額や生産目標、導入規模の数値が一切示されていない点です。「量産化」「安定供給体制」という言葉が繰り返されますが、その実現時期や必要な生産量は曖昧で、2025年から既に始まっていた取り組みを、新会社設立を機に再編成したという側面が強いと読めます。 語り口は「グローバル」「社会実装」といった壮大なフレーミングで統一されていますが、実際の対象市場は欧州と日本に限定されており、中国や米国といった主要太陽光市場への言及はありません。また、ペロブスカイト太陽電池の最大の課題である耐久性や鉛フリー化といった技術的ハードルについて、全く触れられていない点は、楽観的な物語に寄った省略と言えます。 この記事が示すのは、材料メーカーが自社技術の新たな応用先としてGX市場に参入する動きであり、ペロブスカイト太陽電池の実用化そのものの進捗ではありません。GX人材は、華々しい協業発表の裏にある技術課題と市場実態のギャップを冷静に見極め、自社の強みを現実的な用途に結びつける戦略的視座が求められます。

インプレスSmartGridニューズレター編集部 2026年5月15日 (金曜) 16:10 東洋製罐グループホールディングス株式会社(以下、東洋製罐グループ)は、フレキシブル型ペロブスカイト太陽電池注1の市場をグローバルで創出するため、オランダのPerovion Technologies B.V.(以下、Perovion社)とオランダ応用科学研究機構(以下、TNO)の三者間で、戦略的パートナーシップを構築することに合意した。本提携により、東洋製罐グループが展開する機能性材料と、TNOからスピンアウトしたPerovion社が継承するセル製造技術を組み合わせ、次世代太陽電池の量産化と安定供給体制の確立を目指す。2026年5月15日に発表した。 図1 戦略的パートナーシップにおける三者の役割 出所 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ニュース 2026年5月15日、「欧州最大級の研究機関TNOからスピンアウトしたPerovionを含む三者で、ペロブスカイト太陽電池のグローバルな社会実装に向けた連携体制構築に合意」 東洋製罐グループは、2025年から欧州最大級となる応用科学の研究開発機関であるTNOの技術開発パートナーとして、ペロブスカイト太陽電池を含む次世代フレキシブル太陽光発電パネルの量産化に向けた取り組みを欧州で開始した。同社の電子デバイス向け機能性材料ブランド「MiraNeo」のフロントシート、バックシート、端部封止材を、TNOが開発したロール・トゥ・ロール注2型組立製造ラインに最適化しながら、マス・カスタマイゼーション注3への対応を進めている。 今回、TNOが開発したペロブスカイトセルの製造技術を継承する企業として、Perovion社が2026年3月に設立されたことを受け、TNOおよびPerovion社と技術面・事業面での戦略的パートナーシップを構築することで合意した。 このパートナーシップで、東洋製罐グループはフレキシブル太陽光パネルを保護するMiraNeo製品のモジュール統合を進めるとともに、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた戦略を立案・展開する。TNOは製品開発を支援し、Perovion社が製造・供給を担う。これにより、社会実装の推進や安定供給体制の確立、サプライチェーンのネットワーク拡大を図るという。 今後、東洋製罐グループは、Perovion社のセルを用いたペロブスカイト太陽電池の実証実験を段階的に拡大し、そこで得た知見をもとに量産化、安定供給体制の早期確立を図る。3者は、欧州市場をはじめとするグローバル市場での社会実装を進め、日本市場では東洋製罐グループが実施するデモンストレーションにより製品価値を訴求する。 注1:ペロブスカイト太陽電池:有機アンモニウム、鉛、ヨウ素などがペロブスカイト結晶構造で配列した材料を用いる太陽電池。フィルムなどの柔軟性のある基盤を使用できる。 注2:ロール・トゥ・ロール:印刷のように巻かれたフィルムを連続的に送り出しながら、加工・塗布(成膜)・印刷を行うことで、フレキシブル製品を生産する方式。 注3:マス・カスタマイゼーション:大量生産の効率性を保ちつつ、個々の顧客の要望に合わせて製品をカスタマイズする生産手法。 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ニュース 2026年5月15日、「欧州最大級の研究機関TNOからスピンアウトしたPerovionを含む三者で、ペロブスカイト太陽電池のグローバルな社会実装に向けた連携体制構築に合意」 太陽光パネルの販売から再資源化にまで一貫対応、エディオン スタートした特定計量制度! ガイドラインに見る「対象となる計量例」と「対象とならない計量例」 タンデム型ペロブスカイト量産へ、政府が2社に94億円支援 PoEによる直流給電:IEEE 802.3af/802.3atからUPOEまで NGNの核となるIMS(2):IMSのアーキテクチャ、インタフェースとプロトコル 電力自由化時代の「調整力」「同時同量」とは? インプレスSmartGridニューズレター編集... 太陽光パネルの販売から再資源化にまで一貫対応、エディオン インプレスSmartGridニューズレター編集... 国内初となる水田でのペロブスカイト太陽電池の実証開始、千葉銀行・積水ソーラーフィルムら インプレスSmartGridニューズレター編集... LNG燃料を船から船へ直接供給、大阪ガスが開始 インプレスSmartGridニューズレター編集... SAFで航空貨物輸送のGHGを削減、古河電工・ENEOS・住友倉庫が連携 インプレスSmartGridニューズレター編集... AIデータセンター向けバッテリーを国内で量産、ソフトバンクが新事業 インプレスSmartGridニュ

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