企業動向

ホンダ上場以来初赤字-4239億円で「2040年までに全車BEV/FCV」も取り下げ…一転「新型HEVを ...

2026-05-14
ホンダが2040年までの全車BEV/FCV目標を取り下げた一方、カーボンニュートラルは継続する方針を示した。実務上、取引先のGX計画やハイブリッド需要に影響する動き。

専門家の視点

本田の上場以来初の赤字決算は、EV戦略見直しによる1兆5778億円もの巨額損失を一括計上した結果であり、実体として「本業の稼ぐ力」は調整後営業利益1兆393億円と健在です。二輪事業が過去最高販売台数を記録するなど、事業ポートフォリオは依然として強い収益基盤を持っています。一方で、2040年までの全車BEV/FCV目標の撤回は、政策環境の激変を理由に掲げていますが、裏を返せば2021年時点のEVシフトが過度に楽観的な前提に依存していたことを示しています。 この記事の語り口は、「早期止血」「現実直視」「ホンダらしさ」という肯定的なフレームに貫かれており、巨額損失を「過去のツケの清算」と位置づけることで、経営責任や投資家への説明を回避している印象です。また、調整後利益を用いて「本業は健全」と強調する一方で、1.5兆円もの損失が将来の投資余力や研究開発に与える制約には踏み込んでいません。さらに、ソニーとのアフィーラ中止や北米BEV撤退に伴う取引先への補償など、サプライヤーや協業先といった省略された利害関係者の痛みが文面からは見えにくくなっています。 読者や業界が期待するのは、EV戦略の失敗を教訓とした具体的なガバナンス改革や、2035年以降のCO2削減目標の再設定内容ですが、現時点では「次世代HEV15車種投入」という手段の提示に留まっており、カーボンニュートラルへの道筋が依然として曖昧です。目的(CN達成)と手段(HEV増産)の倒置や、過去の計画を現在の成果として語る時制の操作(「賭けは悪くなかった」)も散見されます。 日本企業・GX人材への示唆として、環境目標と事業現実の乖離を早期に感知し、撤退も含めた柔軟な戦略転換を躊躇なく実行するリーダーシップが求められる一方、その決断がもたらす利害関係者への影響と説明責任を軽視してはならないということです。

2026年5月14日、本田技研工業が2026年3月期の決算を発表した。売上高21兆7,966億円、営業利益- 4,143億円、当期純利益(損失)は-4239億円——ホンダは上場以来、初めての赤字決算となった。EV戦略の見直しに伴う1兆5778億円という損失を一括処理した結果であり、数字だけ見れば衝撃的だが、いっぽうでホンダは同日、新型車の投入予定を続々公表。今後2年間で新型HEVを15車種投入とのこと。ホンダ三部敏宏社長は噂されていた退任はせず継続、「止血して、過去最高益へ」という明確なロードマップを打ち出した。こういう極端な姿勢、ホンダらしさ、クルマ屋らしさが戻ってきたと考えます。以下、決算内容と同日公開された「ビジネスアップデート」の内容を速報ベースでお伝えします。 文:ベストカーWeb編集局長T、写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部 今期のホンダ決算は純利益(損失)▲4239億円という結果となった。ホンダは今年3月の時点で「北米市場で投入予定だった(発売直前だった)0(ゼロ)シリーズを含むBEV3車種の撤退(開発休止)、ソニーとの協業企画であるアフィーラも中止、EV関連損失は約1兆5000億円、これを今期と来期で計上していく」という衝撃の発表があったが、この巨額の負債を今期分で背負いこんだかたちとなる。 決算内容の内訳を見ると、今期におけるEV関連損失の合計は1兆5778億円にのぼる。北米で計画していたEVモデルの開発・上市中止に伴う開発資産・製造設備の減損(6439億円)、戦略変更に伴う取引先への補償や契約解除コスト(5,426億円)、第3四半期までに積み上がっていたEV関連損失(2,671億円)、そして中国の合弁会社に係る持分法損失(1,241億円)——。大変な損失だが、これらはいずれも「過去のEV戦略」の後片付けであり、ホンダの本業の稼ぐ力とは切り離して考えることも可能。 EV損失を除いた調整後営業利益は1兆393億円、調整後当期利益は7,955億円。売上収益は21兆7,966億円と、前年比0.5%増を確保した。二輪事業はインド・ブラジルを中心に2,210万台という過去最高の販売台数・営業利益を達成している。「EVのツケを今期に全部払った」と考えると、それはそれで経営戦略として正解とも考えられる。どこで「回れ右をするか」という判断において、「まあ無謀だったと思うけど、早めに決断したな」という印象。 会見で記者から「上場以来初の赤字の責任をどう取るのか」と問われた三部社長はこう答えた。「早期の止血を行い、なにがあっても耐えられる体制をつくっていくことが、私の責務だと思っています」。退任ではなく、前進——。三部社長就任時の2021年の状況と会社の規模を考えれば「2040年までにBEVに全振り」は、悪くない賭けではあった。ただ状況が変わった。変わったからには別方向に全振りする。その覚悟を示した言葉だった。 会見では、ホンダがこれまで掲げてきた「2040年までにBEV/FCVで販売100%を目指す」という目標についても踏み込んだ質疑があった。 「2040年までの販売目標はどうするのか?」、三部社長の答えは明快だった。「社会への責任として2050年のカーボンニュートラル社会を目指す、という目標は掲げ続ける。ご質問の『2040年までに』という目標はそのための段階的指標であったが、現状、達成が現実的ではないこともよくわかる。なので、その販売目標は取り下げる。現在社内で再設定目標を検討しているが、2035年までのCO2排出量削減目標値の公表というかたちになると思う」。 さらにこう続けた。「創業以来、稀に見る不透明な時代だと考えている。この時代に対応するために、どのようにブレても対応できるような体制を整えたい」。 2021年時点のホンダが描いたEV市場予測と、2026年の実績との乖離は北米だけで年間約150万台規模に達している。ACC II規制の事実上の無効化、IRA補助金の終了、米関税の開始——政策環境が短期間でここまで激変するとは、当時の誰にも予測できなかった。「目標を取り下げる」という判断は敗北ではなく、現実を直視した経営判断だ。2050年のカーボンニュートラルという大目標は変わらない。そこへ至るルートを柔軟に引き直す。それって……「マルチパスウェイ」ってこと?? 当面、ホンダはどの方向へアクセルを踏むのか。今回明らかにされたのは、まずは「次世代ハイブリッド車の怒涛の投入」だ。 ここで注目したいのが、今回の会見会場そのもの。ホンダはビジネスアップデートの発表にあわせて、都内の記者会見会場に2台の新型ハイブリッド車を展示した。今後2年間で投入される次世代HEVの実車2車種である。詳細スペックや実車名はまだ明かされていないが、上場

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