【EU】大手企業12社、サーキュラーエコノミー法で共同書簡。野心的な制度設計要請
英エレン・マッカーサー財団と大手12社が、EUのサーキュラーエコノミー法に対し野心的な制度設計を求める共同書簡を欧州委員会に提出した。
専門家の視点
欧州委員会の制度設計作業と、大手12社の共同書簡という二つの現実が並んでいます。企業側は法の枠組み自体に野心を求めていますが、制度の具体化はまだ途上であり、このずれが今回の分析の中心です。CEAは廃棄物指令の積み重ねと異なり、製品設計や情報開示を含む横断的な枠組みを目指すため、執行レイヤーと企業の対応能力が同時に問われる構造です。書簡の背後には、先行する自社の循環ビジネスを法的な不確実性から守りたいという意図がありますが、法の野心が市場の実態と乖離すると、制度が形骸化するリスクも併存します。現状は物語先走りの構造であり、骨子案の内容と、それが欧州議会や理事会でどう調整されるかが次の観測点です。野心的な目標と、測定や検証の仕組みが両立する設計を求めない限り、企業の行動変容は進みません。制度の時間軸は少なくとも数年であり、その間の実証や自主的な取り組みが最終的な規制の水準を左右します。企業側の要請は理解できますが、法の実効性は条文だけでなく、加盟国での執行と市場の受け止めに依存します。CEAの議論は製品ごとの優先順位を欠いたまま進むと、実体が伴わない理念法になるリスクがあります。