プラチナ構想ネットワーク会長 小宮山宏氏に聞く 2050年、日本を「エネルギー自給国家」へ 総需要の8割を再エネで供給する国家戦略 - kankyo-news.co.jp
プラチナ構想ネットワーク会長が、2050年までに日本をエネルギー自給国家とし、総需要の8割を再エネで供給する国家戦略を提言。
専門家の視点
太陽光と風力の変動を、蓄電池と水素で吸収するという2050年のシステム構想は、技術的には到達可能な水準です。しかし、この記事が前提とする「総需要の8割を再エネ」という数字には、隠れた条件があります。それは、電力需要そのものを現在より大幅に削減するという前提がなければ、8割という比率は物理的に成立しないという事実です。省エネや電化の進展具合によって、必要な再エネ設備量は桁で変わります。ここに現在の議論の根本的なズレがあります。つまり、再エネの導入量という「結果」だけが語られ、需要構造の変革という「原因」の議論が置き去りにされているのです。日本は地熱や水力など、出力が安定した再エネのポテンシャルが限られる国です。そのため、この構想の実現は、技術開発よりも、送電網の整備や土地の確保といった社会的な合意形成のスピードに依存します。実行レイヤーが明確でないまま、壮大なビジョンだけが先行する物語先走りの構造です。次の観測点は、この構想を具体化するための法制度や投資計画が、いつ、誰の責任で示されるかです。それが示されない限り、2050年の絵姿は、絵に描いた餅に留まります。