企業動向

ESG開示支援のシェルパ、排出算定の会社買収 助言強化 - 日本経済新聞

日本経済新聞 2026-05-12
ESG開示支援企業シェルパが排出量算定会社を買収し、企業の排出量算定・開示助言を強化する動きを報じている

専門家の視点

ESG開示支援を手がける企業が排出算定会社を買収する動きは、制度と実務の間に広がる深い溝を反映しています。開示ルールの整備が急ピッチで進む一方、企業側には算定できる人材もデータ基盤も不足しており、このギャップを埋める買収は極めて合理的な判断です。ただし、ここでの本質的な論点は買収そのものではなく、算定という「点」の能力を獲得しても、削減戦略の策定や投資家への説明という「線」の助言まで一貫して提供できるかどうかにあります。買収で得られるのは算定の精度であり、それはあくまで出発点にすぎません。開示制度が求める水準と企業の実行能力の差が、専門家の助言市場を拡大させている一方で、助言の質が算定の正確性で評価される風潮自体が、本来の目的である脱炭素経営の実践を後回しにする物語先走りの構造を生んでいます。次の観測点は、この買収後に算定と助言がワンストップで提供され、削減実行まで促す提案へと昇華できるかどうかです。それこそが、制度の実効性を左右する分水嶺となります。

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