再エネ・技術

鉱物大争奪戦:脱炭素やAIブームで需要増のアルミ イラン戦争で供給に懸念も 新村直弘 - 週刊エコノミスト Online

週刊エコノミスト Online 2026-05-10
脱炭素やAI需要で急増するアルミの供給が、イラン情勢により懸念されており、GX関連の資源調達リスクを考察した記事。

専門家の視点

アルミ需要拡大の構図は、脱炭素とAIという二つの物語が実体としての需給逼迫に追いついてきた構造です。軽量化ニーズと送電網・データセンター向け電線需要が地味に積み上がる一方、供給側は電力多消費型産業ゆえの地政学リスクと中国の生産シェア偏在という硬直的な制約を抱えます。この非対称性が、中東情勢の緊張という一過性のイベントを「構造的な供給懸念」へ格上げさせています。記事が当然としている「需要は今後も増える」という前提を問い直すなら、AI投資の生産性向上が実体として見えてこない限り、データセンター建設ラッシュはバブル期の通信投資と同型の過剰期待になり得ます。市場の反応は期待先行の色彩が強く、投機資金は需給タイト化の物語を先取りしています。次の観測点は、イラン情勢の沈静化後もアルミ価格が高止まりするかどうかです。地政学リスクが剥落した時に価格が維持されれば実体裏付け、急落すれば期待先行だったと判明します。時間軸では、製錬所の新増設に5年以上かかるため、短期的な需給逼迫は不可逆に近く、中期的な価格レンジの引き上げは避けられない構造です。

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