企業動向

PwC、脱炭素化報告書を公表 企業の8割超が気候目標を維持・前倒し - ESG Journal

ESG Journal 2026-05-10
PwCの報告書によると、企業の8割超が気候目標を維持または前倒ししていることが明らかになった。

専門家の視点

企業の8割超が気候目標を維持・前倒しするという調査結果は、実体と物語の間に明確なズレを示しています。実体として、多くの企業が短期的な排出削減の進捗を維持しつつありますが、その背景には再生可能エネルギー価格の低下や既存技術の効率改善といったビジネスとして合理的な選択が存在します。一方で、物語は「気候変動への揺るぎないコミットメント」として語られがちですが、実際にはコスト低減やリスク回避という経済合理性が先行しているのです。ここに物語先走りの構造があります。ビジョンとしての野心的な目標が先に掲げられ、多くの企業はその実現手段であるScope3を含むサプライチェーン排出量の算定や、革新的な技術への大規模投資という困難な実行レイヤーに着手できていません。隠れた前提は「目標を維持することが正しく、株主や市場がそれを評価する」というものです。しかし、目標そのものが科学的な根拠に基づいて検証されているかは別問題です。次の観測点は、この8割超の企業が中間年のKPIをどのように達成し、開示するかです。物語と実体の一致を測るのは、5年後ではなく、今から2〜3年後の進捗報告です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る