企業動向

大成建設、三井物産と欧州に脱炭素コンクリ供給網 CO2排出9割削減 - 日本経済新聞

日本経済新聞 2026-05-09
大成建設と三井物産が欧州でCO2排出を9割削減する脱炭素コンクリートの供給網を構築、建設業界のサプライチェーン変革の動きを示す。

専門家の視点

CO2排出9割削減という数字は、セメント製造の主工程であるクリンカ生成に伴う化学反応由来の排出を含むかどうかで意味が大きく変わります。捕捉技術なしで9割削減を達成するには、原材料の置き換えか製造プロセス自体の抜本変更が必要です。 この発表は、国内建設市場の縮小を見据えた「需要の先取り」です。欧州の炭素国境調整措置をにらみ、低炭素建材のサプライチェーンを現地構築する動きで、実体が先行する戦略的布石と読めます。一方で、供給網構築の主体は大成建設と三井物産ですが、実際の排出削減を実装するのはセメントメーカーです。ここに実行レイヤーの非対称性が潜んでいます。 さらに、建設現場での品質管理や強度保証という従来の知見が、新配合で維持できるかという検証段階の情報が不足しています。物語は壮大ですが、実証データの裏付けが追いついていません。隠れた前提は「欧州で採用される新技術がそのまま日本市場に還元できる」というものです。日本国内の建築基準や気候風土は欧州と異なり、そのままでは適用できません。

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