企業動向

住友倉庫ら3社、航空貨物でSAF環境価値活用 - LOGISTICS TODAY

2026-05-11
住友倉庫ら3社が、航空貨物輸送におけるSAF(持続可能な航空燃料)の環境価値を活用し、サプライチェーン全体のGHG排出削減を目指す取り組みを開始した。

専門家の視点

航空貨物のSAF環境価値取引で、住友倉庫が貨物代理店として売買契約の当事者になる構図が今回の核心です。通常、SAF環境価値は航空会社と荷主の直接取引が中心ですが、代理店を介在させることで、荷主と物流事業者の双方に証明書が発行される仕組みを整えました。これは、物流事業者が独自の管理プログラムを構築しなくても環境価値を取り扱える点で、制度の非対称性を解消する試みです。 一方で、この仕組みは「誰が実行するのか」という実行レイヤーに課題を残します。証明書発行の実務はENEOSが担いますが、その裏付けとなるSAFの物理的な供給量や、輸送距離に応じた帰属計算の妥当性は別問題です。航空輸送のScope3削減は、荷主の要求水準が高まるほど、証明書の信頼性と供給量の制約が露呈します。 注目すべきは、この取り組みが東京都の補助事業に依存している点です。補助終了後に民間主導で継続できるかが、モデルケースとしての成否を分けます。SAF供給不足が続く限り、この仕組みは希少な環境価値の奪い合いを加速させる可能性があり、供給拡大と需要創出の時間軸のズレが次の観測点です。

荷主古河電気工業とENEOS、住友倉庫は11日、東京都の「企業のScope3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」を通じ、持続可能な航空燃料(SAF)の環境価値を活用したGHG(温室効果ガス)排出削減の取り組みを進めると発表した。 今回の取り組みでは、貨物代理店として採択された住友倉庫と、荷主である古河電工がSAF環境価値の売買契約を締結。ENEOSが提供するSAF環境価値スキームを活用し、航空貨物輸送に伴うGHG排出削減を進める。 具体的には、古河電工が住友倉庫へ委託する航空貨物輸送について、ENEOSが住友倉庫と古河電工の双方に対し、SAF利用相当量に応じたGHG排出削減証明書を発行した。これにより、貨物代理店が独自のSAF管理プログラムを構築しなくても、荷主から物流事業者まで一貫した形で環境価値を扱える仕組みを整えたとしている。 航空輸送分野では、スコープ3排出量削減への対応が荷主企業を中心に広がる一方、SAFそのものの供給量やコスト負担、環境価値の帰属整理などが導入拡大の課題となっている。今回の取り組みは、物流事業者を介した航空貨物輸送でも、環境価値をサプライチェーン全体で共有できるモデルケースの1つとなる。3社は今後、航空輸送分野の脱炭素化とサプライチェーン全体でのGHG排出削減につなげる考えだ。 ■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。 ※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。 LOGISTICS TODAY編集部 メール:support@logi-today.com LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。 ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。 鴻池運輸、国内航空貨物輸送事業を集約 16/03/23 日本通運、ニコンとSAF活用の契約締結 25/02/27 成田利用の7社が環境価値の取引スキーム構築 24/08/02 東京都、SAF活用の航空貨物輸送代理店募集 25/04/15 マースク、独航空貨物セネターの買収完了 22/06/03 センコーGHD、水産・低温物流Umiosロジ子会社化 26/05/11 メディパルHD、PALTACを完全子会社化 26/05/11 コクヨ、東北新拠点に27万SKU対応GTP自動倉庫 26/05/11 EYSC、国交省の内航運賃算定指針策定を支援 26/05/11 住友倉庫ら3社、航空貨物でSAF環境価値活用 26/05/11 大阪・東京で死亡重傷事故増、大型車比率も上昇 26/05/11 タムラ製作所、中国HEV部品子会社を譲渡へ 26/05/11 ソフトバンク、AI電力需要見据え蓄電池事業参入 26/05/11 TDGHD、ウズベキスタンに日本式教習所設立へ 26/05/11 シーネットWMS稼働1454拠点、過去最多更新 26/05/11 ナトコ、トウペ買収で塗料生産再編 26/05/11 JPR、レンタルパレット供給が過去最高 26/05/11 Jオイル、マレーシア油脂子会社を関連会社へ譲渡 26/05/11 SGムービング、家電回収219自治体へ静脈物流拡大 26/05/11 三菱重工、衛星上AIで船舶検知に成功 26/05/11

本文は配信元の記事から取得した抜粋です。

配信元の記事を読む →
← GXニュース一覧に戻る