再エネ・技術

川重、水素混焼コージェネ納入 帝人・松山拠点に | 日刊工業新聞 電子版

2026-05-11
川崎重工が帝人の松山拠点に水素混焼対応のガスタービンコージェネレーションを納入する、脱炭素技術の実装事例。

専門家の視点

水素混焼コージェネの納入は、実体として確かな技術導入ですが、その先の脱炭素効果は水素の供給源と混焼率に完全に依存します。現状の水素は化石燃料由来のグレー水素が主流であり、製造段階の排出を含めると実質的なCO2削減効果は限定的です。つまり、技術実装は進んでも、ライフサイクル全体での脱炭素という物語が未翻訳のままです。ここには「実体が翻訳されていない」構造があります。 また、川重と帝人の取り組みは優れた実証ですが、単独企業の事例では水素サプライチェーン全体の構築には至らず、供給インフラや価格競争力という実行レイヤーが欠落しています。水素混焼は可逆的な過渡技術であり、将来的な水素専焼やアンモニア転換を見据えた設備設計が必要ですが、記事からはその時間軸が明確ではありません。 隠れた前提は「水素混焼=脱炭素」という単純化です。混焼率10%程度では排出削減効果は微々たるものであり、むしろ天然ガス比で燃焼効率が低下する可能性もあります。次の観測点は、この実証で調達する水素の由来と混焼率の実測値です。企業単独では解決できない水素調達コストと供給量の壁が、この美しい導入事例の実質的な限界を決めます。

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