制度・政策

国が準備進めるLCCO2評価制度、建設時のCO2削減も照準 - 日経クロステック(xTECH)

2026-05-10
国が建築物のライフサイクルCO2評価制度を準備しており、建設時の排出削減にも対応する方針。

専門家の視点

建設物のLCCO2評価制度は、建設段階の排出削減を射程に取り込みつつあります。運用時エネルギーに偏りがちだった評価が、資材製造や輸送、施工といった上流工程へと拡張されるのは、実体としてのCO2排出量を正確に捉える前進です。しかし、制度の核となるのは評価手法の詳細と、それを裏付けるデータベースの整備状況です。ここが追いつかなければ、物語先行の骨格だけが先にできる構造になります。次の観測点は、評価結果を建築確認申請や補助金などの既存の制度とどう接続するかです。接続が弱ければ、評価は努力目標の域を出ず、市場の期待だけが先行します。同時に、建設業界のサプライチェーン全体、特に中小の建材メーカーや施工会社に、算定の実行負荷が集中する非対称性も無視できません。制度の導入スピードと、現場の算定能力の育成スピードの差が、実質的な運用の足かせになるはずです。隠れた前提は、建設時の排出量を算定するためのデータが、日本の産業構造ですでに整備されているという想定です。それはまだ楽観的であり、評価精度はデータの粒度に依存します。

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