再エネ「最も競争力ある」 国際機関幹部、原発に限界 - 西日本新聞me
国際機関幹部が再生可能エネルギーを最も競争力のある電源と評価し、原発に限界があるとの見解を示した記事
専門家の視点
再生可能エネルギーが「最も競争力ある」との発言は、国際機関幹部の物語ですが、実体はもう少し複雑です。太陽光や風力の発電コストは確かに低下しましたが、系統安定化コストや出力変動への対応費用を含めた社会全体のコストで見れば、原子力との単純比較は成立しません。原発の限界は経済性ではなく、建設期間の長期化と廃炉・核燃料サイクルという時間軸の長い制度設計にあります。ここでの核心は、再エネと原発を対立的に語る物語自体が、両者の補完関係を見えにくくしている点です。実際の電力システムは、再エネの変動を補うベースロード電源として原子力を組み合わせる運用が現実的です。期待のレイヤーでは、国際機関の発言が市場に与える影響は限定的ですが、政策担当者の間で原発回帰の流れが強まる中、この発言は逆方向の期待を生みます。構造的に見ると、再エネの技術コスト低下という実体が、システムコストという別の実体に翻訳されていないのが物語欠落の構造です。次の観測点は、各国が公表する系統安定化費用の推計値であり、ここで初めて正確な競争力比較が可能になります。