企業動向

大成建設、脱炭素コンクリを欧州に 三井物産と30年めど - 日本経済新聞

日本経済新聞 2026-05-09
大成建設が三井物産と協力し、2030年をめどに脱炭素コンクリートを欧州で展開する計画。建設資材の脱炭素化の国際的な事業化動向を示す。

専門家の視点

欧州建設市場の脱炭素規制が、日本のコンクリート技術に「売り手市場」の窓を開けています。ここで重要なのは、炭素固定量の第三者検証やライフサイクル全体でのCO2収支という、欧州基準の実体が日本企業の技術評価にまだ完全には翻訳されていない点です。物語と実体の間に、「誰が現地で認証を取得するのか」「30年時点のカーボンフットプリントをどう担保するのか」という実行レイヤーの空白があります。三井物産のサプライチェーン網がその橋渡し役を担う構図ですが、規制の適用範囲と技術の普及スピードの非対称性がリスクです。自動車産業の轍を踏まないためには、脱炭素コンクリート単体の輸出ではなく、建設プロセス全体の脱炭素化という欧州標準への組み込みが鍵です。次の観測点は、2030年までの欧州規制改定と、この技術を使った最初の商業プロジェクトの認証取得時期です。日本の技術優位性が価格競争力を上回る時間的余裕は、現実には限定的です。

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