世界の脱炭素投資、反ESG下でも増勢 25年に過去最高 - 日本経済新聞
ESG投資への逆風がある中でも、2025年の世界の脱炭素投資が過去最高を更新する見通しであるというニュース。
専門家の視点
世界の脱炭素投資が過去最高を更新する見通しです。これは、投資家層ごとの行動原理の違いが如実に表れた結果です。反ESGの物語は政治レイヤーと一部の資金フローには影響を与えても、実体としての設備投資や事業ポートフォリオ転換の経済合理性には勝てていないのです。ここには、物語と実体の分離が明確に起きています。反ESGのスローガンは物語先走りであり、実際の投資は物理的なエネルギー転換の要請に従っている構造です。ただし、この統計の内訳では、中国の製造能力投資と欧州の送電網投資の性格は異なります。前者は供給過剰のリスクを内包し、後者は制度による需要保証が前提です。両方を合わせた過去最高という数字は、それぞれの持続可能性が全く異なる事実を覆い隠します。また、投資が「脱炭素」という包括概念で括られることで、石炭火力のCCS改修と再生可能エネルギー設備が同一の成就として扱われる点も、質の違いを曖昧にしています。次に見るべきは、この投資総額に占める送配電と需要側の柔軟性への配分比率です。二酸化炭素削減の実効性は、発電側の投資総額ではなく、送電網の混雑解消と需要シフトへの資金配分で決まります。