企業動向

GXスチールで脱炭素加速 半田の瀧上工業、県の橋梁建設で採用 - 中日新聞Web

中日新聞Web 2026-05-07
瀧上工業が県の橋梁建設にGXスチールを採用し、製造工程でのCO2排出削減を進める事例。}

専門家の視点

橋梁という公共構造物にGXスチールが初めて採用された事実は、需要創出の臨界点を迎えたことを示します。瀧上工業が単独で調達し、県が発注者として受容したことで、サプライチェーン全体が「脱炭素鋼材は割高だが買う価値がある」という物語を受け入れた構造です。しかし、ここでの核心は材料転換そのものではなく、製造時のCO2排出削減が認証される制度設計にあります。GXスチールは製造工程の省エネや水素還元による排出削減分を可視化する仕組みですが、その認証基準と検証方法が国際的な標準と整合していなければ、輸出競争力にはつながらないのです。現時点では国内の公共調達が試験的な受け皿となり、使用実績を積むことで生産コスト低減の時間を稼いでいる段階です。橋梁は数十年の耐用年数があり、今採用された鋼材の性能評価は長期に及ぶため、即時的な市場拡大を期待するのは現実的ではありません。次の観測点は、この認証制度が国際規格と相互承認されるか、そして県以外の発注者が同様の調達判断を繰り返すかです。公共工事という確実な需要を起点に、民間建築物への波及が起きるかどうかで、GXスチールは特注品から標準材へ移行する分岐点を迎えます。

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