トヨタ、米国でクラス8重量級トラック、定置型発電システム、インフラにおける水素利用を拡大へ
トヨタが米国でクラス8重量級トラックや定置型発電システム向けに水素利用を拡大する長期計画を発表
専門家の視点
米国での水素事業拡大は、トヨタ自身の戦略というより、カリフォルニア州の排ガス規制やインフラ法の補助金という「実体」が先にあり、そこに商用車・定置発電という出口を嵌め込んだ構造です。ただし、クラス8トラックは航続距離と燃料補給の速さで優位ですが、水素価格が競合するディーゼルやバッテリーEV並みに下がる保証はなく、実証段階の物語が市場投入の期待に追いついていません。見るべきはFCET(燃料電池電気トラック)の量産時期ではなく、水素ステーション整備と供給コストの数字です。定置型発電は非常用電源としての需要は確実ですが、系統電力との競争で採算が立つかは別問題です。物語先走りの典型例として、インフラ整備という実行レイヤーが誰の責任か明示されないまま、発表だけが積み上がります。次の観測点は、米国エネルギー省の地域水素ハブ計画にトヨタのサプライヤーが実際に参画し、供給契約を結ぶかどうかです。隠れた前提は「水素は時間をかければ必ず安くなる」という信仰ですが、電力価格と触媒コストの逓減速度はそれを裏付けていません。